鬼の旅_05  抱返り渓谷・乳頭温泉・田沢湖・玉川温泉・黒湯


角館でレンタ・カー。
運転はSさんとIさんが交代してやるらしい。
他の人は、皆、他人事のような顔をしている。

田沢湖へ向かう道を右へ少し入ると、
抱返り渓谷。
玉川と言う名の川の色は妖しい紺碧色だ。
水量も多い。
時には滝のように、時には泉のように蕩蕩と流れる。







「田沢疏水」とか「玉川毒水」とかの言葉が気になって調べてみた。
抱き返り渓谷を流れている玉川の源流部に玉川温泉がある。
温泉は毎分12,000リットルの湧出量がある。
泉質は強酸性で、下流の生物に与える影響は大きく「玉川毒水」と呼ばれ、
下流の仙北地方の農作物への悪影響が甚大だった。
当地の人々は昔からこの川の強い酸性を何とか中和しようと諸対策を打って来た。
藩政時代の御堰の開削以来百数十年、多くの農民が、
さまざまな苦闘の末に完成した「田沢疏水」は、
今、豊かな流れとなって仙北平野を潤しているのだ。

硫黄の成分を含む強酸性の源泉と中和剤、更に渓谷を形成する岩石の成分等の影響で、
この川独特の水の色になるのではないかと言われいる。





兎も角も、
清清しい若葉と神秘的な深い紺碧色の水の色、
現世とは思えない取り合わせが其処にあり、
妖しい雰囲気を醸し出す。
何回も立ち止まってカメラを向ける。










1km強歩いて真っ暗なトンネルを手探り目検討で抜けると、
轟々と滝の音が間近だ。







「回顧の滝」と言うのだそうだ。





何回も振り返り滝を後にする。



清清しいブナの森を大きくカーブを切りながら登ると、
今夜の宿、休暇村田沢湖高原。



玄関脇には大きな残り雪。

 

掛け流しの温泉、湯量も豊富で最高だ。
白っぽいのと黒っぽいのと二種類の温泉がある。
雄大なブナ林の中の露天風呂、
何をか言わんやだ。


翌朝、乳頭温泉散策の予定が変更された。
早朝の霧に包まれた田沢湖を見る為だ。











思い思いに田沢湖をカメラに収める。
Tさんが、
「此処まで来たら玉川温泉迄行ってみようよ」
と言い出した。
一応、乳頭温泉の湯も浴びた事だし、
「そうしよう」
と言う事に成る。
約一時間余り、青さが香るブナの新樹の森を走り抜ける。

玉川温泉に近づくと山々が白く染まっている、辛夷だ。



やがて大きな滝壺のような盆地が現れ、あちらこちらから湯気が立ち上っている。
駐車場は満杯、それでも2,3台待って入れる。
嬉しいのは駐車料が無料、
駐車を誘導している二人の男は朴訥だが愛想がいい。



 

 

茣蓙のような物を持った人が多い。
地熱で温まった地面で横になるのだ。
露天風呂に入っている人、足を突っ込んでいる人も居る。
アチコチの穴から蒸気や熱水が音を立てて噴き出している。
何かの治療に極めて有効だと聞いた。







熱水の温度は98度とあった。

キリタンポを齧る。

乳頭温泉の黒湯だけは入ってみようと言う事になる。
さっき来た道を引き返す。
乳頭温泉郷は評判が良過ぎて、最近、対応が極端に悪くなったと聞く。




 

乳頭山登山口の看板で乳頭温泉の名前が理解出来た。

  

 



黒湯は比較的空いていた。


旅の終わりは、みんな、こんな顔をしているのだ。

 

終わり

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