第二十四番  最御崎寺

 

左に太平洋を見ながら一気に南へ室戸岬を目指す。
若き空海が薮を切り開き山を越え谷を越えた道も、
今は快適なドライブ道路だ。

空海が求聞持法を成就したと言われる御厨人窟、
「みくろど」、に立ち寄る。



空海の時代には、
洞窟の真直まで荒波が押し寄せていたのであろうが、
今は民家の向こうに僅かばかりの海が望める程度だ。
空海がこの洞窟で修行している時に、
天空の明星が輝き、突如空海の口中に飛び込み、
求聞持法を成就したことを悟ったと言う。

洞穴の中で、岩から滴る水滴を集めている男が居た。
「この水を飲めばどんな病気も治る」
「私が信用出来ないのなら、弘法大師も信用できない」
とも言った。

最御崎寺の山門を通り越して室戸岬灯台に立ち寄る。

 

佐田啓二と高峰秀子の映画を思い出す。
今は無人の灯台の白さが眩しい。

鏃の突先ように太平洋に突き出た室戸岬、
最御崎寺はその先端の岩盤の上に立つ。



岩盤の上と言っても、
こんもりした森の中に押し黙ったように佇む。
そんな感じだ。
森一帯が境内のようだ、彼方此方に祠が散在する。




 





続く
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