第六十四番  前神寺

 

前神寺は石鎚山の中腹にあり、
古くから山岳信仰の道場として知られてる。
今から千三百年の昔、役の行者が石鎚山で修行しているとき、
釈迦如来と阿弥陀如来が蔵王権現として現われ、これを祀ったことに由来する
霊峰石鎚山への参詣者は身を清めて、
まず前神寺に詣でてご本尊を拝んでから山に登るのが普通だったと言う。





弘法大師は二度石鎚山を登り、
ここで求聞持法を修めたと伝えられている。
文徳天皇、高倉帝、後鳥羽帝、順徳帝、後醍醐帝など歴代天皇が厚く帰依したことでも知られている。



前神寺の鐘の音。
(録音状態が悪いので音量最大に)





昔は女人禁制で女性は登ることが出来なかった、
は判るとして、今でも、
7月のI日から2日までの2日間は昔どおりの女人禁制、
信じられない事が残っているのだ。
それを知ってか知らずか、
女性のツアー遍路群、
白装束に包まれてはいるものの、心なしか姦しい。







清水の流れ落ちる岩肌に点々と光る物、一円玉だ。
一円玉を放り付けて岩肌にくっ付いたらご利益がある。
試してみた。
三個投げたら一個がくっ付いた。
ご利益も三分の一か。



かつてはここで滝打修行が行われていたそうだ。

納経帳への記帳する人の筆の持ち方がいろいろある。
聊か書を嗜む私にとって、
書き方、書体、字そのもの、筆、墨、硯等に興味がある。
筆を斜めに寝かせて書く人が多いが此処の人は、
比較的筆を立てて書いている。



毎年7月1日のお山開きには数十万の白装束の信者がこの寺に集ってくる。
法螺貝を吹きお経を唱えて練り歩くのだそうだ。
聞いただけでも壮観だ。


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