第五十八番 仙遊寺



このお寺で40年間修行した阿坊仙人という僧が、
或る日、
雲と遊ぶかのように忽然と姿をかき消した。
仙遊寺の名はこの由来による。

本尊の千手観音菩薩は、
竜女一刀三礼の作と言う伝説が残る。
その昔、海から竜登川を伝って来た竜女が、
一刀刻むごとに三度礼拝し観音様を作り上げた。
出来上がると竜女は竜登川を伝って再び海に帰って行った。
その後、旧暦7月9日になると、
龍燈が仙遊寺の桜の木に掛かったと言う。










 

 

 

 

人が何かを願っている姿は美しいだけではない。
嬉しさが漂ってくる。





麓には三つの池がありがその一つを犬塚池という。
この池には次のような話が残されている。
その昔、栄福寺と仙遊寺にお使いする犬がいた。
仙遊寺で鐘がなると山を駆けのぼり仙遊寺へ、
栄福寺の鐘が鳴ると山を駆けおり仙遊寺へ、
鐘の音を聞き分ける利口な犬だった。
ある時、
上下の寺の鐘が同時に鳴った。
どちらに行ったらいいのか分らない犬は動けなかった。
嘆き苦しんだ犬は池に身を投じてしまったという。
村人達が湖畔に犬塚を設けて供養した。
その池を犬塚池と呼ぶようになった、さ。
彼が忠実に仕えた住職は栄福寺と仙遊寺を兼 ねていたと言う。
可哀想な事をしたもんだ。



境内から今治市街や瀬戸内海が一望出来る。
美しい島々を眺めていると、
如何にも下界を見下ろしている気になる。

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