第三十八番  金剛福寺



岩本寺から金剛福寺までは100km、
四国八十八箇所巡りの最長距離だ。
歩き遍路はこの道を三日間掛けて歩く。
歩き道は別なのだろうか、
たまに、ポツリポツリと歩き遍路の姿を見かける程度だ。

幸徳秋水の故郷、中村辺りで四万十川を渡る。
吉野といい、四万十といい、四国の河は水量が多い。

小説や映画から想像していた足摺岬とは全く異なる、
大観光地化された足摺岬。
一学生が死に場所と選んできた足摺岬、
土地の人々の人情に触れ生きることに目覚めた、
そんな筋だったと思うが、
そんな面影は見当たらない。
僅かに、
そそり立つ断崖にぶち当たり砕ける白波に残る、か。
兎も角、足摺岬に立った。





 

足摺岬先端の全てを覆うのでは、と思われるほど金剛福寺は広大だ。











 



 




今日は此処で宿を取る。
今回の遍路で宿坊は始めてだ。
大きな真新しい宿坊、
一寸した旅館も及ばない小奇麗さ、
女が来て、数々の注意事項を早口で喋る。
笑顔を絶やさず、言葉も丁寧だが、
やや、客馴れし過ぎている感じでもある。

翌朝のお勤め、
宿坊にお世話になるからにはお勤めが必須、
善男男女の後ろからお付き合いをする。

 

続く
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