敦煌への道

鳴沙山
眼前に砂漠の山が広がる。
鳴沙山の一角にとり付こうとしている。





僅か100m程であろうか、
仲々、足が前へ進まない。
途中で引き返す人も居る。
息せいで登りきると月牙泉が緑の水をたたえている。

 

往時は駱駝の隊商があの砂漠の山を越えていったのであろう。
誰かが「月の砂漠」を唄いだした。



夕暮れの迫る敦煌の街を歩く。
現在の敦煌は清時代に造られた町で、
昔の敦煌は土に埋もれているのだ。

 


早朝、震えながら敦煌を離れる。
吐く息が白い。
途中で朝日が昇る。



幾つもの遺跡、狼煙台を左右に見る。




遠方に蜃気楼だ。
時には湖のようなのも現れる。



真っ直ぐな道が地平線に消え入る。
道はまあまあの広さだが中央分離線はない。
車は道の中央を走る。
対向車も道の中央を走って来る。
「アレアレ、ぶつかるのでは」
と思う位の間近かまで近寄り左右の分かれる。
何度冷や冷やした事か。

 

  


嘉峪関
万里の長城の西の果てだ。
明時代の建築と言う。



 



城内は瓦礫の山、
誰かが模様の付いた大きな瓦を見付け丁寧にタオルに包む。
重いのに大変だ。
私はなにか玉の様な物を見つけた。
文物の国外持ち出しは禁止されているが、
そんな事とは無関係のようにゴロゴロと転がっているのだ。
万里の長城が地平線の彼方まで連なる。


 




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酒泉
夜光杯、この言葉を知ったのは何時の事だったろうか。
葡萄美酒夜光杯
欲飲琵琶馬上催
酔臥沙場君莫笑
古来征戦幾人回
この漢詩を吟じる度に夢を馳せたものだ。
ここ、酒泉が夜光杯の名産地なのだ。
黒色の玉を極限の薄さまで削る。
月の光を透すのだ。

 

 


再び蘭州。
黄河の向こうに白塔山公園。
少数民族の青年が我々のカメラを覗き込む。
やがて、
「俺を撮ってくれ」
とポーズをとる。
誰かが撮影し住所も聞いたようだ。
無事に届いたかどうか。

 








香港

 

  
 
豪華船の豪華レストランで豪華な夕食。
何を食べたか忘れた、多分、海鮮料理だろう。

 

旅の締めくくりは、
映画「慕情?」の舞台になった高台からの香港風景。



敦煌まで片道4日、今は飛行機で一っ飛びだ。
57窟の菩薩像はどうなっているだろうか。

しかし、
井上靖があの「敦煌」を書いた時には、
彼は、まだ、は敦煌へ行った事が無く、
全て文献からの想像、創造と言うのだから全く驚きだ、
小説家は凄い。






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