台北記9

歴史博物館だけでも今日中にやっつけておきたい。
台北駅前で、バス路線案内図を手に入れたが、
歴史博物館は何というバス停で降りたらよいのか、意外に、ややこしい。
歴史博物館というバス停があるが、植物園前とか国語実小学校前でも良いらしい。
バスNOは、1,204,259,268などだ。
今度は、どの番号のバスは何処で乗るのか、
それぞれのバス路線図を調べなければならない。
バス停は、棒の先の四角い板にバスNOが書いてある、
例の立て札のような奴が、100ー200メートル位の間に、
ズラリと立ち並んで居る。
立て札にはそれぞれ3、4個のバスNOが書いてある。
その立て札の一つ一つから乗りたいバスの番号を探し出さねばならない。
次から次ぎに、夥しい数のバスが連なって来る。
台北駅だけでも100種類くらいは有りそうだ。
しかも、現在地下鉄工事の真っ最中で、あちこち掘り起こされていて、
現地の人達も、自分の乗るバスを探しあぐねているような状況だ。
現に、私に、バスの乗り場?を聞いた奴が居る。

更に、重要な事に気が付いた。
例えば、渋谷から東京駅経由の浅草行きのバス路線があるとする、
いま、東京から青山に行きたいとする、当然、渋谷方面に向かって乗る。
立て札には、ご親切にも、路線全部の停留所名は書いてあるが、
どっち向きとは書いてない。
右に行くなら、こっち側、左に行くなら、広い道を挟んだ向こう側、
ともかくややっこしい。
ってなことをやってる間に、時間ばかりが、ドンドン過ぎてゆく。
今日のところは、歴史博物館、諦める。

それならとばかりに、目の前に来たバスに乗り込む。
知らない街で、良くやる手だ。
街の外れまで行って、また、同じバスで戻って来る、とゆうわけだ。
料金は、一律9元と聞いていたので、10元硬貨を掴み、
料金を払おうとしたら、運ちゃんが、コッチコッチと言うように、別の箱をペタペタと叩く。
始めに入れようとしたのは、カード機だった。
右の一番前の席が定席、早速、次々止る停留所の現物と、路線案内図、
旅行案内書を首っ引きで、バスの行く先を確かめる。
真っ直ぐ、北へ向かっているらしい。
辺りは、とっぷり暗くなっている。
大きな橋を渡ると、だんだん、街灯の数も少なくなって来る。
終点は、持っている地図をはみ出している。
少し賑やかな通りで下りて、反対側の停留所で、同じ番号のバスを待つ。
結構の数のバスはやって来るが、同じ番号のバスは中々来ない。
物凄い勢いで走って来るバスに、客が次々に乗り込んでゆく。
ひたすら、立ち尽くしている私に、
停留所のまえの商店のオヤジが怪訝な視線を射る。
多分、違う番号のバスでも、台北駅まで行けるのだろうが、
あっ、来たなと番号を見て、
其の番号の行き先を調べているうちにバスは走り出してしまう。

ともかく、無事に、台北駅まで戻った。
駅前は、人でごった返している。
つい、振り返ってしまうような美人が多い。
1分間に何回振り返るかわからない。
とにかく、スタイルがいい。
頭から爪先までのファッション、服装、持ち物も、
新宿あたりで見かけるのと、まるで変わらない。

駅前の、新光三越ビルが人の流れの中心になってるようだ。
エスカレーターで、チラリと上に上がってみる。
売ってるものも、新宿三越と似たり寄ったり、イタリヤ製のバッグ、
風月堂のお菓子.....一寸、違うのが、カラスミ、茶器、など。
繁華街を歩く。
新宿と銀座と浅草をゴッチャにしたような街並みは、
ゴチャゴチャしているようで、意外に碁盤の目のように整然としてる。

人並みに付いていると、小奇麗な小さなビルに入り込んだ。
エレベーターの前に18、9から25、6才の女の子の行列が出来ている。
数えてみたら、20人、男性が1人。
壁一面に貼られているポスターの様なものは、音楽会、講演会、の案内らしい。
1階はプレイガイド、階上は、語学、料理、パソコンなどの専門学校だ。

つづく


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