台北記10

さて、夕飯どうしようか、で、思い出したのが、
Bさん情報の三越の地下食堂街、
アメリカや日本のショッピングセンターによくあるスタイルで
真ん中に共通の客席、広場があって、周りに色々な店が並んでいる。
台湾料理に紹興酒でも、のつもりが、ついつい、熱燗で寿司になってしまう。
カウンターに坐ると、結構、種が並んでいる。
手始めに、[まぐろ!]から始める事にした、が、なんてこった、
まぐろの寿司がデンとお皿で一人前出てきてしまった。
頭に来たから、種だけ食べて店を出る。
それでも、板前さんに気の毒だから、
「私は、胃袋が無いもんで..」
など渋々言い訳などをして。

ほろ酔いで歩いていると、さっきよりも振り返る頻度が増えている。
雑踏の中で、若さというものを考える。
あれは何だったんだろう。
昔の様にギラギラした目付きで追いかけては行かない。
行き合う女性の期待に膨らむ視線が、何万分の1秒の単位で
失望の視線をとどめ、また、通行人の一人一人に戻ってゆく。

昔、映画を作りたいと思った。
友人の何人かは映画に世界に入り込んだ。
彼らの75%は、現在行方不明だ。
話が外れた。

宿に入る。
5階のエレベーターの前のカウンターでおばちゃんが笑って出迎えてくれた。
風呂のお湯をを出しながら、明日の計画を立てる。
省立博物館か歴史博物館、Tさんご紹介の台湾大学、
これもちょいと覗いてみたい、s先生宅の書道教授風景は必須、
午後は、故宮、そしてBさん、ご紹介の、蒋介石、宋美齢の士林官邸、
そして、士林の夜店をブラつこう。
Yさん、ご紹介の本屋街ブラツキも何処かに組み込もう。

電話が掛かる、
カウンターのおばちゃんらしい、
[若い子のアンマどうですか? トテモ ウマイヨ]
按摩好きの私
「OK,頼むよ、で、幾ら?」
「ヨンマンエンでいいよ」
「え!四千円?」
「チュガウヨ、四万円よ」
「グッー、クワバラクワバラ」

明日の計画を頭でなぞる。
昨日、バスの乗り方覚えたのでバスには自信は有るが、
一寸、計画に無理がありそうだ。
特に、S先生宅、先生の書かれた地図を、あらためて見ると、極めて、右脳的だ。
ここでバスを下りたら、この方向へ真っ直ぐの矢印・・・

また、電話だ。
[アンタ、トキュベツ、ニンッマンエンでいいよ]

明日の計画がキッチリ定まった。
風呂に入って、ビールを飲み直す。
念の為にと思って、フロントに電話する。
[本当の按摩、頼める?]
日本の温泉街と、値段も、揉み方も、まあまあ似たような按配の按摩さんだった。
念のためだが、中年の男性で、時間は30分。

続く


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