| 織田信長･書状 |
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| 相州之使これを |
如何にも信長の名にふさわしい雄雄しさに溢れた書だ。
| 森蘭丸･書状 |
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| 就我等懇之儀態示預畏候 |
一般的な眉目端麗な蘭丸のイメージとは異なる豪壮な文字だ。
| 明智光秀･書状 |
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| 坂本の者共山田宿之儀 |
如何にも均整の取れた書、
このような性格であったのだろう。
| 柴田勝家･書状 |
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| 大阪御無事条数何も具聞届候 |
一転して、あの豪快なイメージとは違って、隅々まで気配りの行き届いた書だ。
| 筒井順慶･書状 |
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| 如仰其以後者不申承無音背 |
当時の武将達は斯様に難解な文字にて意志の伝達を計ったのだが、
多くの人がこのような書を読めたのだろうか。
| 大友宗麟･書状 |
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| 従河蘇惟光 |
居城のあった白杵、府内は別府湾に面した良港であり、
当時の対外貿易の中心地として大いに栄えた。
キリスト教を保護したキリシタン大名として知られる。
茶具の蒐集家としても名高く当代一流の文化人でもあった。
| 北条氏政･書状 |
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| 注文を見分能々 |
氏政は家を滅ぼした武将として評価が低いが、
武田信玄・上杉謙信・織田信長・徳川家康等と渡り合いながら、
領国を北条歴代で最大とした裁量は、他の大名に見劣りしない。
| 狩野永徳･書状 |
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| 殊更緑青給候 是又祝着至存候 |
祖父は狩野元信。
信長、秀吉に仕え、安土城、聚楽第、大阪城の屏風絵を描いたとされるがいずれも現存しない。
狩野派の重鎮の名に恥じない能書振りである。
| 千利休･書状 |
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| 今朝羽筑へ刀筆用之注文 |
後述の津田宗及、今井宗久と共に茶家三宗匠と称され、
信長、秀吉の茶頭として名を成す。
後年、秀吉の勘気を買い自刃する。
其の理由に付いては諸説がある。
この書に見られる武人の如き気骨が何らかの関係があったのであろう。
| 津田宗及･書状 |
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| 将又水監一両日中ニ |
堺の豪商、茶家三宗匠の一人であり、諸芸に通じた文化人と言われる。
| 今井宗久･書状 |
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| 一両日己前 |
堺の豪商、三好、松永の御用商人として名を成し、
後に信長に仕え、鉄砲火薬などを商い巨万の富を得たとされる。
堺町衆の実質的な指導者であった。
| 豊臣秀次･書状 |
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| 昌叱処へ人を遣候而明日の連歌の一しゅんを |
先年、秀次の領地であった近江八幡を訪れたが、
街の随所に名君秀次の面影を止めており、
「殺生関白」等との伝聞に反し、その善政でいかに領民に親しまれていたかが覗える。
| 足利義昭･書状 |
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| 其表永々在陣 |
暗君として名を残すが、
彼の混乱時にあって他の足利将軍たちと異なり天寿を全うしたということは、
単なる暗君ではなかったのであろう。
| 豊臣秀吉・和歌懐紙 |
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| 春日同詠和歌 秀吉 |
あたり構わぬ八方破れの書だが何処か味合いがある。
| 前田利家・書状 |
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| 年内事透次第ニ御茶 |
茶道にも精通していたと言われる利家らしい書だ。
| 長宗我部元親・書状 |
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| 御発句被遊候哉六日 |
手馴れた筆致で、教養の深さを覗わせる。
| 石田三成・書状 |
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| 芳礼殊爾桑樽井ニ重いつれて |
如何にも高慢さを感じさせる書だ。
| 細川ガラシャ・消息 |
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| 黒田如水・書状 |
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| 雲莫和尚去四日 |
知略謀略に長けた人物と知られているが、
如何にも無骨な真摯さを思わせる書だ。
| 柳生宗巖・書状 |
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| 如仰先刻者御心静申承候 |
武芸の達人らしい筆遣い、筆先の筆法は厳しい。
| 細川幽斎・書状 |
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| 夏日同詠？麦勝衆花 倭歌 |
先天的に気を見る才に長じ乱世を巧に生抜いた。
学識豊かで家集、歌集等の著作も多く残している。
| 加藤清正・書状 |
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| 今夜身上によきゆめ 見申候問はんしんへ |
書風が其の人物のイメージから遠い典型ではないだろうか。
| 高山右近・書状 |
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| 水指昨可然候 |
典型的なキリシタン大名であり数奇な運命を辿った。
最後は徳川幕府のキリシタン弾圧によりマニラに追放され、
没年は定かでない。
茶道にも通じた文化人であった。
自由闊達な何物にも束縛されない伸び伸びとした書風である。
| 前田利長・書状 |
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| 夜前之御状今朝致拝見候 仍六日晩八つ時分御茶 |
本多正純からの茶会招待に対する返礼である。
| 近衛信尹・詠草 |
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| 寄蘇鉄恋 |
低俗に堕ちた江戸初期の和様書道に新風を吹き込んだ。
当代一流の歌人としても名を留めている。
信尹の遺墨は極めて多種多様で、
幅広い能書活動家で有った事が覗える。
| 古田織部・書状 |
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| 先剋尊書添存候大修理 |
桃山時代の大名で利休の高弟と知られ、
利休亡き後の茶の名人として茶界をリードした。
大阪夏の陣で大阪方に内通したとして自刃した。
茶人らしい趣に富んだ書である。
| 片桐且元・書状 |
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| 御本社まへのしらすな入ニ |
秀吉死後、秀頼に近従するが最晩年の行動には不審な点が多い。
北野神社造営の折の奉行を務めた折の指図を示した内容であり、
一時期の充実した様子が読み取れる。
| 真田幸村・書状 |
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| 様子御使可申候当年中も静ニ |
私の好きな人物、と言う先入観のせいか、
この書には惚れ惚れと魅せられる。
ゆとりある筆遣いで悠々と辺りを圧している。
| 豊臣秀頼・豊国大明神神号 |
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| 豊国大明神 |
秀頼八歳の書である。
一説に凡才、一説に秀才、と二説あるが、
僅か八歳で是だけの書を書くのは後者であったに違いない。
おおらかで温かみがある、バランス感覚にも優れる。
| 淀君・消息 |
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| ひとひハ御さうさに |
内容からして、淀君４０歳頃の書とみられる。
流れるような華美な筆跡の中に、
緩急を伴う鋭い線が非凡な書き手であった事を如実に語っている。
伝えられている通りの才色兼備であったのであろう。
| 徳川家康・書状 |
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| 御陣之様子承度候 |
比較的若い時代の書と思われる。
気迫の籠もった重厚な書風である。
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引用文献
講談社刊：古筆から現代書道まで墨美の鑑賞
講談社：日本の書
東京書道研究院刊：書の歴史
講談社：日本書跡全集
大修館書店刊：漢字の歴史
平凡社刊：字統
平凡社刊：名筆百選
創元社：書道入門
平凡社：書道全集
講談社：現代書道全集
二玄社：書の宇宙
白州正子：西行
角田文衛：待賢門院璋子の生涯
