八甲田から八幡平へ散策と温泉の旅(その3)
田茂萢湿原

朝6時、千人風呂の人は少ない。
考えてみたら昨日は日曜日、日帰り客が多かったのだ。

八甲田山頂へ向かうロープウエイからの眺望、
青森市内、陸奥湾、下北半島、まで一望できる。



そして、岩木山も幽かながら遠望できる。



眼下にダケカンバの森が脈々と何処までも続く。







田茂萢湿原の自然遊歩道を散策する。
今日は如何にもベテランらしい自然案内人が付いて居て、
時々立ち止まって花の説明をしている。
列の後尾に付くとその内容が伝わってこない。

















白鯨を思い起こす。





















八甲田山頂で標高1500m内外だ、涼風が通うが陽射しが強い。

案内人がブナの話をする。
ブナは親指の太さになるまで3,40年掛かるのだそうだ、それから成長が早くなる。
持参したブナの木の断面サンプルを見せてくれた。
成る程、断面の中心付近の年輪は何mmオーダーで緻密な水墨画のようだ。
ブナの実は食べられるのだそうだ。
「何故ブナは木で無しと書くか」
さっきのブナのサンプルは直径が25cm、厚さが2cmくらいだが、
面が歪んでいて平らではない、亀裂もある。
「ブナの木材は水分が多くて、乾燥するとこの様になってしまう」
だから木材として使えないのだ、だから木では無い、は一寸屁理屈に近い。
八甲田山の遭難救助等で数多くの功績があり、
1961年に黄綬褒章を受章した鹿内仙人という山案内人は大町桂月と親交が深かった。
鹿内仙人は仙人と言われるほどの有名な山案内人だが、その彼が生涯に一度だけ遭難したことがある。
彼が酸ヶ湯温泉から桂月の住む蔦温泉まで桂月を送った時のこと、
大雪の中、道に迷ってしまったのだ。
幸い、翌日に無事発見されたが、仙人は生涯これを恥じていたそうだ。

移動中のバスの中でこんな話が続く。
仙人は棟方志功とも親交があり志功揮毫による石碑がある。




睡蓮沼を一寸覗く、












此処の睡蓮は水蓮とは書かない。
水蓮は外来もの、睡蓮は日本純種なのだそうだ。
やや小振りだ。


八甲田から八幡平へ散策と温泉の旅(その3) 終

続く




inserted by FC2 system