阿弥陀寺記
三千院から街道まで下ってから、
何時に無く、寂光院までタクシーを使った。
以前は、寂光院までの大原の里を楽しみ味合ったものだが。
物知りな運転手さんで、
「暇だからご案内しましょう」
と寂光院の中も案内してくれた。
帰り道、大原で気になっているお寺、阿彌陀寺の話しを出した。
運ちゃんの何気ない話に行ってみようという気になった。
京都でもまだこんな山奥が有るのか、
そんな道を一途に登る。
普通は此処までと書いてある唐門を通り過ぎて、
益々、深山霊谷、此処を歩いたらえらい事だった。
森閑とはまさにこの様な事だろう。
急坂を登り切って、
「此処の住職と知り合いの私も、流石に此処までです」
と運ちゃんがエンジンを止める。
こんな所にお寺がある。
山城のようだ。
お寺を守っている人が居る。
修行している人も居る?。
お寺って何だろう?
修行って何だろう?
樹齢800年のイロハモミジ、
秋にはこのモミジが辺りを払って紅葉するのだそうだ。
思ったよりも境内は広い。
石庭も手入れが行き届いている。
本堂からの古知谷の風景が望まれる。
弾誓上人自らが彫られたご自分の像がこのお寺のご本尊、
草刈鎌で彫った御像には上人の頭髪が埋め込まれている。
堂内は撮影禁止。
何時頃建てられた建物だろうか、
ところどころに修復の跡があるが、床が抜けそうなところがある。
足元を見ながら慎重に歩く。