近江記8
徳円寺

和蔵堂の大奥様に教えて頂いた徳円寺に寄ってみる事にした。
徳円寺のある庄部落は和蔵堂のあった山門部落と同じ谷にあり、
車で5分足らず南に下がった所だ。





鴨居の彫刻が見事だ。



こちらも奥様のご案内、
一見して、ウッと来た。
「今まで観て来た観音様と随分と趣が違いますね」
と言い掛けたら、奥様が怪訝な顔をされる。
言い掛けた私も直ぐに気付いた。
いままで観て来た観音様と違って、
こちらは馬頭観音だ。



この近辺に馬頭観音は四体あるのだそうだ。
同じ馬頭さんでもそれぞれに趣が異なるとか。



何か叱られているようだ。
叱られるネタは五万とある。
眼を凝らすと、頭の上に馬頭が居座る。



本面は口を開き目をつり上げ念怒の相をし、
脇面は口を閉じて上歯をのぞかせている。
所謂、三面三目八臂の立像。
よく判らないが馬頭観音は、
インドのビシュヌ神の化身で、
六観音のひとつの畜生道を救済するとされる。
これは馬が獣類中でも特に水草を貪り食べることから,
人間の煩悩を食べ尽くして救済するということだ。
榧材一木造で高さは80cm程、鎌倉時代の作とされる。
両足の爪先を上げ足の裏側を見せ踵だけで立っている、



これは国内でも珍しいそうだ。





今回の、謂わば、癒しを求める観音巡りの旅にとって、
ここの馬頭観音様は少々厳し過ぎるようだ。

続く

 

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