第八十七番 長尾寺
聖徳太子開創とも言われている古刹であるが、
何よりもこの寺が知られているのは、
静御前との所縁だ。
彼女が出家して尼になったお寺なのだ。
静御前の剃髪塚も境内に残っている。
ここの草鞋も見事。
弘法大師が護摩符を人々に分かち与えた故事にならって、
三本の宝木を大勢の若者達が奪い合うと言う豪壮な行事が残り継がれている。
このお寺の名物行事「福奪い」だ。
樹齢800年の大楠、
こんな大木の下に佇むと自然と心が和むのだ。
此処から2kmほどの願勝寺に静の墓があるそうだが、
静御前に関連する伝承やゆかりの寺社は、全国各地に点在し、
北は北海道から南は福岡県にまで至っていると言う。
楊貴妃の墓も複数あることで知られている。
奥州郡山市や栃尾市栃堀には、
静御前が身を投げて葬られているお宮がある。
丹後市網野町は静の出身地とされ、
晩年の静かはこの地で余生を送ったと言われ、
静神社が祀られ静の墓もある。
晩年と言っても23,4歳だと言う。
四国に残っている静の伝承は、
最初に義経が追われた、
義経と共に瀬戸内を逃げ廻った頃に生まれた話なのだろう。
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