第七十二番 曼荼羅寺
善通寺市に入る。
善通寺市内には五つの札所がある。
まず、曼荼羅寺。
弘法大師の先祖である佐伯氏の菩提寺である。
大師が亡き母玉依御前の冥福を祈るべく、
唐から持ち帰った曼荼羅を安置し、
曼荼羅寺と改名したとされる。
建立が推古4年(596年)、
半端ではない古さ、
聖徳太子が摂政の時代だ。
何処かで行き会った青年とまた出っくわす。
青年の瞳に、
どう探しても邪気が見出せない。
何かを願っている表情だ。
中国などのお寺で目にするような石の建造物、
何を意味するのか判らない。
駐車場の前の茶店で茶を頂く。
美味しいお茶だ、誠意が籠っている熱さだ。
「美味しいお茶ですね、この辺で採れるのですか」
「はい、讃岐茶です」
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