第七十一番 弥谷寺

 

弘法大師が幼少の頃、此処で修行した。
唐から帰国後に再び此処に籠り求聞待法修行をした。

恐山と同じような霊山として知られている。
全山に霊気が漂う。



急勾配の岩肌に埋められたように建てられたお寺だ。
昼なお暗き階段を登る。
全部で108段あるそうだ。



 





 

弥谷寺の鐘の音。

鐘の音にも心なしか霊気が漂う。



更に登る。



更に更に登る。
一段一段、煩悩を振り払い悟りを開いて行く、
のだそうだが、
私には足の重さが感じられるだけだ。





石佛、石灯篭、が石段の両側に立ち並ぶ。



石佛は84000体、
岸壁に彫られた仏像は1500体もあるそうだ。
この辺りの雰囲気は、まさに、死霊が立ち返る寺だ。





 

靴を脱いで上がった太子堂の奥に空海が幼少の頃学問したと言われる石窟がある。
獅子の岩屋と呼ばれている。



 階段を下りながら、もう一度、摩崖仏を眺める。
敦煌、大同、洛陽などの摩崖仏と比べてどちらが古いのだろうか。
こちらのは、如何にも劣化し易しそうな石質だ。
勿論、比べようも無い規模だが。
この摩崖仏を眺めていると、
何か日本を感じるのだ。



山麓の部落で死人が出ると、
身寄りの人が両手を後ろに回して、
あたかも死者の霊を背負ってこの石段を登り、
霊を下ろし後ろを見ないで下山する風習があったそうだ。



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