続々昆明記12 水掛祭り
新年節の最終日、いよいよ水掛祭りが始まる。
パンフレットには正午開始とあったが、
窓から見ていると、朝から水の掛け合いが始まっている。]
居ながらにして窓から祭りが全貌できるホテルに陣取っている。
昆明に来る度にお世話になっている邱さんが気を利かしてくれたのだ。
正午、象を先頭に行列が始まる。
周辺の少数民族がそれぞれの衣装を凝らして、次々に隊列を組む。
長い長い行列が通り過ぎると人並みがメコンの川岸を目指す。
メコンの河川敷に数え切れないほどの出店が並ぶ。
一番広い場所を取っているのが遊園地、
広場の一角の路上に沢山の品物が転がっている、と見ると、
転がっているのでは無く無作為に並べられているのだ。
客が自転車のタイヤのような物を、その品物の方向のクルクルと投げ出す。
そのタイヤがコロリと止った時にそのタイヤの中に何か品物が入ればそれが頂ける。
そんなゲームだ、暫く見ていたが、成功する物は殆ど無い。
タイヤが外まで転がっていってしまったり、品物の角にのっかってしまったり、
仲々、一つの品物がスッポリと輪の中に納まることは無い。
大の大人が懲りずに何回も何回も挑戦している。
一回1元で上手くいけば100元位の物が取れるので皆真剣そのものだ。
一角では闘鶏、
川辺では豪快な花火が打ち上げられる。
突然、猛烈なスコール、宿に引き返すと、
隣の部屋から賑やかな音楽が聞こえて来る。
覗いてみると、少数民族衣装を纏った男が一心不乱に、
笙を吹きながら踊っている。
部屋に入り込んで拝聴拝見する。 激しい動きだ。
彼等は今夜の民族舞踊大会に出演すのだそうだ。
雨が小降りになると、通りでは水の掛け合いが始まる。
皆、洗面器のような物、バケツ、水鉄砲を手にして、
行き交う人に水をぶっ掛ける。
誰彼構わずだが、特に若い女性が狙われている。
聞く所によると、特に体の線を大切にするタイ族の女性達は、
ずぶ濡れになった時に下着の線が出ないように下着は着用しないとか、
生憎と、そのような現場には出っくわさなかった。
水鉄砲、洗面器が飛ぶように売れる。
車の荷台に水を載せ、車ごと水を掛け合う場面もある。
ビルの屋上からばら撒いている人も居る。
兎も角、水、水、水。
多くの人に水を掛ける程、多くの人から水を掛けられる程、
祝福の度合いが多きいのだ。
つづく
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