続日本料理、小泉さん、リストラ、薬の宣伝

10/2
A、U、とタイの女の子二人で食事。

  

二人はタイのチェンマイの大学を卒業したばかりだ。
快活で真面目この上ない、一人はお酒を飲まない。

 

中国語の授業の時、
「あなたのお国で一番の問題は何ですか」
と言う作文の問題に対し、日本人学生は共通して、
「高齢化」と「不況」
を挙げていたが、タイの彼女は、
「貧富差、特に人身売買」
を挙げていたのが印象的だった。

10/6
TVで宣伝していた日本料理店へやって来た。
部屋の一つ一つに、東京、札幌、長崎、北海道、奈良、

   

などの名札がぶら下がっているのが心憎い。
思ったとおり、ガラ空、客よりも女の子の数が馬鹿に多い。
何かと言うと、其の女の子たちが、
日本式に腰を着いて部屋に入って来て、
慣れない手つきでお酌をする、これがいちいちまどろっこい。
まあ、そんな事はさておき、みんな、久し振りの日本食にご満悦だ。

  

  

特に、日本酒の熱燗の最初の一口には、皆で唸り声を上げる。

ちなみに値段の例、
湯豆腐     15(元)
蕎麦      15
ビール1本    8
日本酒銚子1本 20
鮭刺身     20
野菜炒め     5
鍋料理一式  100?

街中でのビールは3元前後だからかなりの割高、日本酒は更に割高、
それにも増して、熱燗で鍋を突付き、寿司をほうばる、
この瞬間が何事にも変えられない一時なのだ。

10/8
TVのトップニュースは小泉さんの来中国、
小泉さんと握手する江沢民さんの苦虫を噛み潰したような顔が大写しだ。
暫くして、小泉さんが抗日記念館訪問の報道。
中国の友人が小泉さんを見た途端に言う、
「彼は悪い人」
「何故」
「靖国神社に参拝した」
「参拝して何が悪いの」
「当然でしょう、中国人を沢山殺した皇軍が祀ってあるから」

10/10
やっとチュウさんに会える。
チュウさんは昆明の来る度にお世話になっている旅行社の女ボス、
2、3日前に、ささやかなお土産の虎屋の羊羹を持って
そのチュウさんを事務所に訪ねたが扉が閉まっていた。
近くの事務所の人に連絡先を尋ねるが誰も判らない。

そして今日、再度の訪問だ。
事務所の扉は開いていたが彼女の机には別の女性が座っている。
「彼女は先月退職しました」
「今、何処に住んでいますか?」
「判らない」
「連絡したいのだけど、電話番号は?」
「判らない」
彼女は後任らしいが、何を聞いても知らないの一点張り。

諦めての帰りがけ、
隣の部屋から出てきた女の子と同行のAが顔を見合わせて嬌声を上げた。
「アレッ!」
「アレッ!」
抱き合った二人は旧知の間柄、隣の部屋に招き入れられる。
しかも部屋の中に居た中年の美しい女性はチュウさんの妹さんと知って驚く。

  

直ぐチュウさんが駆けつけて来た。
相変わらずの笑顔で、
「会社、辞めたのよ」
「何故? まさか、まだまだ定年じゃないでしょ?」
中国での定年は普通は55歳、彼女はまだ40代の筈だ。
「リストラされちゃったのよ、高給取りから順番よ」
「だって、中国、特に昆明の旅行社は景気が良いのでは?」
「それは私営、国営の旅行社は駄目なのよ」
「じゃあ、退職金を沢山貰ったんでしょ」
「それがたったの800元」
と顔を顰める、考えられない。

此処にも中国の新しい波が押し寄せて来ているらしいが、
あれ程有能なチュウさんがリストラ、しかも800元の退職金。
隣の部屋にチュウさんの妹さんが居るのに、
あの後任らしい女性は教えてくれない。
どうも、不可解な事が多い。
まだまだ、本当の中国が理解出来ていないようだ。

帰りがけ、
近くの中古の写真道具屋を物色。
こんな所に店が? と思うような奥まった二階家の一室、
余程の通にしか来れない場所だ。
店一杯に新旧のカメラ、レンズ、部品がゴチャゴチャに置いてある。
こんな店に、時々、掘り出し物が並ぶようだ。
Uも写真に凝ってる、何時もドイツ製の名機を持ち歩いている。
去年のA,岳陽でのS、留学生には写真狂が多い。

10/15
TVの薬の宣伝。
「30歳で60歳の心臓、60歳で30歳の心臓、貴方は?」
「貴方の子供の頭脳をアインシュタイン、ベートーベン並にしたくない?」

明日からA一家とアモイ、客家の土楼巡りだ。
ラーメンポトットと米、お茶ずけの味、ラーメンを用意。

続く

 

  

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