続昆明留学記4  
楚雄、恐竜、姚安、前場のイ族部落

10/1
中国では長期休日が三回有る。
春節(旧暦1月1日、新暦の1月末から2月初め)、労働節(5/1-5/7)、国慶節と中秋節(10/1-10/7)。

倹約好きの中国国民に消費を促す国策だ。
銀行には庶民の貯金が唸ってる。
もっとも、
庶民の大切な虎の子は業績不良の国営企業に止め処なく注ぎ込まれるらしい。

今日から、国慶節と中秋節をあわせた(10/1-10/7)長期休暇が始まる。
この期間、中国の名勝地は何処も人で溢れる。
賢明な人は、この時期、名勝地へ行くのを避ける人が多くなってきた。
家で過ごすか、旅行好きは余り人の行かない田舎の方へ出掛ける。

10/3
重い腰を上げる。
昆明から高速バスで西へ3時間の楚雄、更に北へ3時間の姚安、
其処から更に2時間ほど入った馬遊と言うところに狙いを定める。
馬遊には、古くからのイ族の集落があり、
昔ながらの生活風景が有ると聞いたからだ。

楚雄。
この辺り一体は何億年前の海底が盛り上がった地質、
古代動植物の化石の宝庫、恐竜も随所から発見されている。
近くの元謀では、北京原人より更に古い原人の化石が発見されている。
ここの恐竜の博物館は良く知られている。

 

 

古代から動植物の進化の模様が素朴では有るが丁寧に陳列、
説明されている。
何時の時代の物か、木棺が生々しい。

 
10/4
姚安へはバスで3時間、酷い悪路だ。
新道路を建設中で、旧路には手を入れないのだろう。
説明の仕様の無い泥道だ。

 

途中、時々少数民族の村落が現れるのがせめてもの慰め。

 

やっと着いた姚安で、目的の馬遊へ行くには、
ジープでなければ入れないと聞かされる。
散々、ジープを探すが適当なのが見つからなくて諦める。

バイタクのおばさんが
「近くに良い所がある」
と教えてくれた。



片道1時間、これまた、極めつけの悪路、絶え間ない振動で体全体が分解しそうだ。
引っ切り無しに、荷台に客を乗せた馬車と行き交う、
馬車がこの辺りの一寸した交通手段のようだ。

 




600年代建立の竜華寺。

 

 

 
 
 

 

手垢のついていない古い中国のお寺を楽しめた。


宿は招待所、50元。



風呂は太陽光利用だからこのところの雨模様で熱水が出ない。
それ以外はまあまあだ。

夕食、魚鍋料理、気さくなおばさんが台所で手招きする。
「好きな物を選べ」
と言ってるようだ。
「あれ、これ」
と好きな材料を指定する。
35元、安くてなかなかいける。


10/5
昨夜の料理店で教えてもらったイ族の民家が多いという前場へ向かう。
中国の田舎は、何処もそうだが、バスの乗り場が沢山有って迷う。
やっと、探し当てると、大きなトラックだ。
座席が二列あり、そこに客が重なるように乗る。
荷物の運搬が主なのだ。
盆地の片側の山500M程を登りきってまた降りる、
そんな繰り返しを重ね、前場。
田園風景が広がる、米、蕎麦、玉蜀黍が見受けられる。

 

 

 



小川の傍らで牛?豚?の解体作業。

ぶらぶら歩いていると、
軒先に美味しそうな柿がぶら下がっている一軒。
「柿を売って」
と声を掛けると、
「中へ入れ」
と招き入れられる。

 

近所のおばさんたちが物珍しそうに寄って来た。

まず、お茶、そして焼きたての玉蜀黍をすすめられる。
教科書を開いている女の子は中学二年、
ペラペラ捲ってみるとかなり高度の内容だ。
日本の事、富士山を知っている。
イ族の文字を教えてくれた、聡明だ。

 

 

最後は、お酒が出て来た、強いが香ばしい。
50度の蕎麦焼酎、勿論、自家製だ。

こちらのお宅は専業農家、
12時から2時まで休んで又労働が始まる。
上の息子さんを上級学校へ送っているので大変だそうだ。
ここでも奥さんが良く動く。
奥さんがご主人の隣の座ったのは、私がそろそろ退散、と思った頃だ。
それでも、まだ、手が動いている。
布靴を造っている様だ。



つづく

 


  

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