チベット記4

20041025
いよいよラサへ飛び立つ。
やがて、昨日の梅里雪山(だろうと思う)が見えてくる。



魚の鱗の様に連なる雪山、



その向こうにこの世を隔てるように、
厳しくそそり立つ雪山の絶壁、



そんな雪山の間間に川があり道がある。
こんなところにも生活が有るのだ。
雲海の上に岩石を置き並べたように、
ニョキニョキと雪山の突端が飛び出す。
そんな風景を眺めているうちに、
飛行機は山と山の間を滑るように降下する。



ラサ空港だ。
標高3650mをそれ程感じない。

彼、建飛が笑顔で出迎える。
山男さんとお別れし、彼のクルーザーに乗り込む。
建飛から大きな赤いバラの花束を手渡された建蔚が照れいる。



空港からラサまで80kmくらいある。
北海道のような風景、と見る間に、
如何にもチベットの山河が車窓を過ぎりだした。

緑色の河が流れる。
その河が幾筋にも別れ、また一緒になって河原がだんだん広くなる。
周囲の山には木というものが見られない。
砂と岩の山々から流れ出す土砂が堆積して出来た盆地がラサ、と思う。

ラサの街は想像してたよりも大きい。
ポタラ宮の前を通る。
威容を高々と誇っている。
白酒で改めて乾杯だ。



 

ホテルで一服。

 

 

窓から眺めるラサは必ず山が視界に入る。

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夕方、散歩に出る。
ポタラの方向へ歩いてつもりが反対へ来てしまった。
最近、方向感覚が鈍ってきた。
方向感だけは人並み以上と誇っていたのに・・
大きな広場に出た。







チベット人たちで賑あっている。
人並みが出てくる方向へ進む。

 

 

 

殆どの人が逆の方向へ進んでいる、左周りだ。
お参りしている人達の様だ。
皆、手に手に、何と言うものなのだろう、ぐるぐると回しながら、
ブツブツと念仏を唱えながら一心に歩く。
泥まみれの衣服を纏った人が多い、地方からの参拝者なのだろう。

人並みに逆らって進むと、さっきの広場に出た。
広場の正面にお寺がある。
これがジョガン(大昭寺)だったのだ。
ジョガンの周囲をぐるりと一周したことになる。
彼等、チベット人たちの参拝の方法なのだろう。

夜、またまた白酒の乾杯が続く。

 



建蔚の彼、建飛に会うのは三回目だが、
会う度に若手実業家の容貌が滲み出て来た。
街中でも何人かが握手を求めて来た。
人望もあるらしい。

建蔚の母上はモソ人、父上は普米族、
父上は俳優のような美男偉丈夫だ。
彼らの会話は全く理解できない。
時々、建蔚が通訳してくれる。
その建蔚の早口は半分も理解出来ない。
そんな人々の中でも喜怒哀楽は通じ合える、
お互い人間なのだ。

つづく

 

チベット記1(香格里拉)、チベット記2(梅里雪山)、
チベット記3(梅里雪山ー香格里拉)、チベット記4(ラサ)、
チベット記5(ポタラ宮)、チベット記6(ジョカン、セラ寺)、
チベット記7(ノルブリンカ離宮、西蔵博物館)、チベット記8(ラサの街角、ラサの病院)、
チベット記9(ラサ裏通り、ソンキョ・ルカン公園、パラルブ寺、マニ塚)、
チベット記10.完(拉沙苞姑尼姑寺、バスツアー、ラサのカフェ、ラサのお土産、ラサ河)



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