チベット記3

20041024
翌早朝、
自分でも「よくまあ!」と感心するくらいにくっきりと目が覚める。
人間の欲望とは不思議なものだ。
やっと、電話のある場所を探し電話するが返事がない。
何回か電話したが駄目だ、彼の運ちゃん、眠り込んでいるらしい。
諦めて、タクシーを捜すがタクシーらしきものは見当たらない。

大きなホテルへ飛び込み、タクシーを頼む。
「OK、直ぐ来る」
待てど暮らせどタクシーは来ない。
ホテルの前の何台かのクルーザーが唸り出す。
次第に明るくなってくる。
梅里雪山のあたりには雲が掛かってるようだ。
出発の時間も近づく。
「多分、曇っていて梅里雪山は見えないでしょう」
と二人で慰め合い宿に戻る。

ところが、帰りのバス、
雲を配して梅里雪山がくっきりとを浮かび上がっている。







あの若い運ちゃんの奴め! 悔やまれてならない。
しかし、此処まで来て三日粘って、
終に梅里雪山を見る事が出来なかった人も居る、と聞く。
何度も振り返り振り返りするうちに悔みが消えて行った。
外国人証明書不所持のお陰で、長年の念願が適った。
旅とは面白い物だ、こんな醍醐味があるから止められない。

香格里拉に近づく。
険しい山河を越え、
この盆地に出た昔の旅人達が安堵で胸を撫で下ろす、
そんな気持ちが伝わってくるゆったりと静かに広がる盆地、
将に桃源郷だ。

 

 


美味しいと聞いている此処の地酒が飲みたくて市場を覗く。

 

奇妙な格好をしているのはバター?チーズ?
縦に並ぶ白い筒のような物はバターを作る道具だそうだ。

 

 

果物、野菜、惣菜は並んでいるが、地酒のビンが見付からない。
万屋のような店のお爺さんに聞いてみた。
「地酒は何処で売ってるの?」
お爺さんが顎で指したのが上図右の写真の樽?だ。
柄杓で並々とポリビンに注いで呉れた。
これが美味しくて、また、追加に来た程だ。




夕方、建蔚と連絡が取れた。
建蔚、1997年に初めて知り合ってもう7年来の朋友だ。
今回、彼女が家族とラサへ行くと聞き、便乗させて貰う事になったのだ。
彼女、彼女の母上、父上、伯父さん、彼女の恋人の父上が一同に会す。



山男さんも参加し賑やかな会食になった。

 

 

 

建蔚とは毎年の様に有ってるが、その度に、
「来年結婚します」
と聞かされてきた。
ご両家のご家族がこうしてお揃いのところを見ると本決まりらしい。

つづく


 


チベット記1(香格里拉)、チベット記2(梅里雪山)、
チベット記3(梅里雪山ー香格里拉)、チベット記4(ラサ)、
チベット記5(ポタラ宮)、チベット記6(ジョカン、セラ寺)、
チベット記7(ノルブリンカ離宮、西蔵博物館)、チベット記8(ラサの街角、ラサの病院)、
チベット記9(ラサ裏通り、ソンキョ・ルカン公園、パラルブ寺、マニ塚)、
チベット記10.完(拉沙苞姑尼姑寺、バスツアー、ラサのカフェ、ラサのお土産、ラサ河)


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