チベット記3-1

翌早朝、
自分でも「よくまあ!」と感心するくらいにくっきりと目が覚める。
人間の欲望とは不思議なものだ。
やっと、電話のある場所を探し電話するが返事がない。
何回か電話したが駄目だ、彼の運ちゃん、眠り込んでいるらしい。
諦めて、タクシーを捜すがタクシーらしきものは見当たらない。

大きなホテルへ飛び込み、タクシーを頼む。
「OK、直ぐ来る」
待てど暮らせどタクシーは来ない。
ホテルの前の何台かのクルーザーが唸り出す。
次第に明るくなってくる。
梅里雪山のあたりには雲が掛かってるようだ。
出発の時間も近づく。
「多分、曇っていて梅里雪山は見えないでしょう」
と二人で慰め合い宿に戻る。

ところが、帰りのバス、
山陰から雪山が見え出した。



なんと、雲を配して梅里雪山がくっきりとを浮かび上がっているのだ。







くっきりと梅里雪山の全貌をとらえた。











あの若い運ちゃんの奴め! 悔やまれてならない。
しかし、此処まで来て三日粘って、
終に梅里雪山を見る事が出来なかった人も居る、と聞く。
何度も振り返り振り返りするうちに悔みが消えて行った。
外国人証明書不所持のお陰で、長年の念願が適った。
旅とは面白い物だ、こんな醍醐味があるから止められない。

つづく


チベット記1(香格里拉)、チベット記2(梅里雪山)、
チベット記3(梅里雪山ー香格里拉)、チベット記4(ラサ)、
チベット記5(ポタラ宮)、チベット記6(ジョカン、セラ寺)、
チベット記7(ノルブリンカ離宮、西蔵博物館)、チベット記8(ラサの街角、ラサの病院)、
チベット記9(ラサ裏通り、ソンキョ・ルカン公園、パラルブ寺、マニ塚)、
チベット記10.完(拉沙苞姑尼姑寺、バスツアー、ラサのカフェ、ラサのお土産、ラサ河)




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