チベット記2-2

谷底にへばりつく様な徳欽の町に入る。



さて、宿はどうするか思案していると、
バスの休憩の時に一言二言話した学生風の女の子が、
「宿を探してるの? 私が案内してあげる」
と先に立った。
「旅行?」
「いえ、帰省です」
小奇麗な宿に案内される。
80元、田舎町にしては高めだが穏やかなママさんは気に入り、
二つ返事でOK。






夕方、町へ出て火鍋屋を探す。
と、またさっきの彼女に出会う。
「私が案内する」
と、又先に立った。
「私の家は此処から45kあります、タクシーの値段交渉が仲々纏まらないの」
此処から更に45kとは想像を絶する。





何がしかを突付く。

徳欽の街は谷間にあり、梅里雪山は全く見えない。
夕方の梅里雪山が見たい。
さっき来た道を5,6kmも戻れば梅里雪山が良く見える場所がある。
タクシーを交渉する。
「梅里雪山が良く見えるところまで行きたい」
どんな処か判らないが乗ってみる。
タクシーは、さっき来た道を戻り右にそれ山道を進む。
眼前に梅里雪山が全貌を現わす。









飛来寺、此処が梅里雪山を眺める絶好の場所なのだ。
旅人はこの景色が見たくてここまでやって来るのだ。
小さな街の佇まい。
例の野宿の友人は此処まで自転車で来ている。















梅里雪山の反対側は青空が広がっているが、
梅里雪山側は残念ながら逆光で雲も多い。
運ちゃんと交渉する。
「明日の朝、日の出の頃の梅里雪山を見たいがどうだ?」
「OK、朝、電話してくれ」
「いや、宿の前まで来てくれ」
「いや、電話してくれ」
と名詞を渡される。

つづく

チベット記1(香格里拉)、チベット記2(梅里雪山)、
チベット記3(梅里雪山ー香格里拉)、チベット記4(ラサ)、
チベット記5(ポタラ宮)、チベット記6(ジョカン、セラ寺)、
チベット記7(ノルブリンカ離宮、西蔵博物館)、チベット記8(ラサの街角、ラサの病院)、
チベット記9(ラサ裏通り、ソンキョ・ルカン公園、パラルブ寺、マニ塚)、
チベット記10.完(拉沙苞姑尼姑寺、バスツアー、ラサのカフェ、ラサのお土産、ラサ河)


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