昆明留学記6・元陽棚田2


午後、ウスラウスラしているとノック、
宿の若先生が棚田の一番良い所へ案内してくれるのだ。
車で一時間、
霧の中に棚田がボンヤリ浮かび上がる。









晴れてれば、谷底から向こうの尾根まで続く棚田が一望できるのだ。
至極残念だが、霧の中の棚田も捨てたものではない。

ハニ族の少女達が披露する歓迎の踊り、つぶらな瞳の中に、



 

 

「この霧の中をようこそ」
と言う気構えが見え隠れする。

ハニ族の旧家は荒れ果てている。
昔、この辺りを支配していた族長の屋敷後だ。

 

 

 

これから、此処を観光資源の一つとして整備するのだそうだ



宿に戻ると、また、
「食事を食え、酒もあるぞ」
そして、麻雀に付き合わさられる。


翌日も霧、
「一週間はこの霧が続く」
と聞いて諦める。

浅はかな考えで決めた帰路で苦労する。
元陽から二時間ほどの箇旧から昆明へは5時間ほどの高速バスがある、
それで行くと今日中には昆明について一杯出来るな、などと思い浮かべる。

箇旧へ二時間で着いた、12時。
ところが昆明行きは満員、次は夜9時の発車まで無い。
その9時発の切符も長い列を並んでようやくして買えた。
やるかたなくて、屋台でビールを飲んで時間つぶし、
9時間は長い、地図を買って近くの動物園、
田舎の動物園だ、観たい動物も観る所も無い、
また戻って屋台で時間つぶし。

9時になってもバスは来ない。
係員らしい」女に尋ねるが、ニコニコしているだけだ。
一時間遅れでやっときたバス、酷い席だ。
座席番号に気を止めなかったが、
「お前の席」
と告げられたのは一番奥の5人ベッドの真ん中、
死ぬ気になれば何事も、と思い直しベッドに入り込むが、
右となりが若いアベック、左が女性二人、身動きできない。

動き出したバスのスピードが馬鹿に遅い、二度程止まる。
三度目はエンジンが止まってしまった。
運転手がエンジンの蓋を開けて懸命に弄るが埒が明かないようだ。

客が怒り出した。
「切符を返せ」と怒鳴っている気の強い女の子もいるが、
大体は諦めて寝入る、隣のアベックはキッスを始めた。

代車が来るらしいが、何時来るか判らない。
みな諦めて、バスの周囲を彷徨し出したり、寝入ったりしだした。

それでも一時間ほどして別の車がやって来た、乗り換えだ。
右はさっきのアベック、左の一人が居なくなって、
今度は、真ん中へ赤ん坊を負ぶった女が居座った。
ぐずる赤ん坊を母親が懸命にあやす。

朝方、赤ん坊がニコリとあたりを見合わす、可愛い。
殆ど一睡も出来ないで昆明に着く。
やはり夜行は無理だ、とつくづく思う。
が、
霧に浮かぶ棚田、には余りある。

続く

     



 
   
inserted by FC2 system